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石橋財団コレクション

ジャクソン・ポロック

コディ(アメリカ)、1912−サウサンプトン(アメリカ)、1956

ポロックは、ヨーロッパ前衛絵画の伝統に新大陸の美術を融合させ、戦後アメリカの抽象表現主義の主導的地位を築いた画家です。ロサンジェルスとニューヨークで学び、ピカソやマティスの作品、また友人のマッソンの作品に見られるような曲線の組み合わせ模様で構成された絵画、シュルレアリストたちの深層心理の絵画的解明などから制作の着想を得ます。同時に、インディアンの神話や砂絵およびメキシコの壁画へも傾倒し、ユング派の精神分析療法のデッサンを実践していました。ポロックの「アクション・ペインティング」は、床に広げた大きなカンヴァスに、棒や刷毛の先につけた絵具をたらし、あるいは、穴を開けた絵具缶をふりまわし、自由な動きの線で均一に覆い尽くすように描くものです。この「ドリッピング」の手法を使って、中心のない構造を持ち、カンヴァスの限られた面積を越えどこまでも拡がっていく印象を鑑賞者に与える「オール・オーヴァー」な絵画を制作しました。
ジャクソン・ポロック《Number 2, 1951》1951年 油彩・カンヴァス
ジャクソン・ポロック
《Number 2, 1951》
1951年 油彩・カンヴァス

色彩の純粋なエネルギーとポロック自身の内面的エネルギーが彼のアクションによって同時に解き放たれる「ドリッピング」の手法で、画面全体を絵具の線で均一に覆う「オール・オーヴァー」の絵画。それらの多くは1947−50年の間に制作され、ポロックを戦後アメリカの抽象表現主義の主導的存在にならしめました。この作品は、ポロックが再び具象に立ち戻り、抽象と具象の間を揺れ動いていた時期に制作されたものです。黒や様々な色の絵具の線の中に、天体のモティーフや、当時ニューヨーク近代美術館に展示されていて、ポロックが深く影響を受けた、ピカソの《ゲルニカ》に見られる骸骨や人間の腕のような有機的モティーフがちりばめられています。
戦後美術