ブリヂストン美術館は、ただいま長期休館中です。

ニュースリリース

パリ・オランジュリー美術館にて
「ブリヂストン美術館の名品−石橋財団コレクション展」開催

2016.11.10
仏国国立公益法人オルセー美術館(館長 ギ・コジュヴァル)およびオランジュリー美術館(館長 ローランス・デ・カール)と公益財団法人石橋財団(理事長 石橋 寛)は、2017年春、パリ・オランジュリー美術館にて「ブリヂストン美術館の名品−石橋財団コレクション展」を共同開催する運びとなりました。
ブリヂストン美術館の建て替えに伴う休館(2019年秋開館予定)を機とし、西洋と日本の近現代美術を中心とする石橋財団の代表的なコレクションが一堂にフランスで紹介されます。

開催概要


【展覧会名】
Chefs-d’œuvre du Bridgestone Museum of Art de Tokyo, Collection Ishibashi Foundation
ブリヂストン美術館の名品−石橋財団コレクション展
【会期】
2017年4月5日(水)~8月21日(月)
【会場】
オランジュリー美術館(パリ)
【作品点数】
76点
【監修】
オランジュリー美術館 学芸員 セシル・ジラルドー
ブリヂストン美術館 学芸課長 新畑泰秀、学芸員 賀川恭子
【主催】
オルセー美術館、オランジュリー美術館、公益財団法人石橋財団
【協力】
日本経済新聞社
【特別助成】
株式会社ブリヂストン
【協力】
日本航空

展覧会開催主旨


ブリヂストン美術館のコレクションの名品は、産業界に重要な役割を果たしている石橋家の2世代にわたる美術への愛好により形成されたものです。株式会社ブリヂストン創業者の石橋正二郎は、早くから美術、とりわけ西洋美術へ情熱を傾ける突出した存在でした。彼は1930年代後半から作品収集を始め、1952年に、そのコレクションをもって東京の中心地に美術館を創設しました。この美術館は主に印象派および近代西洋美術と近代日本美術を公開しています。コレクションはその後も充実を重ね、現在では約2,600点を有しています。このたびブリヂストン美術館の新築を機に、ヨーロッパではただ1カ所、オランジュリー美術館で当コレクションを紹介することになりました。

この展覧会は、印象派から戦後の西洋および東洋の抽象絵画まで、すなわちモネ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、マティス、ピカソ、ポロックから白髪一雄などによる作品を紹介します。展覧会の焦点は、日本の歴史を背景として、作品と所蔵家との永続的な関係に置かれます。それは、来場者にさまざまな文脈を提供することになるでしょう。

また、オランジュリー美術館で本展を開催することで、ブリヂストン美術館とオランジュリー美術館が鏡面のような類似関係を示すことでしょう。いずれも一所蔵家の美術への情熱があらゆる人々に公開されているのです。

日本美術が印象派に与えた影響はよく知られています。しかし、逆に印象派が日本の美術に与えた影響についてはあまり知られていません。実は多くの日本の芸術家たちがその影響を受けているのです。また、林忠正、大原孫三郎、松方幸次郎のような日本人の印象派の収集家も存在しました。そしてそれらのコレクションが日本の美術館における西洋美術の展覧会の中核をなしているのです。ブリヂストン美術館のコレクションと石橋正二郎の足跡もこの歴史の中に刻まれています。
オランジュリー美術館

展覧会開催に向けて


フランスと日本の外交関係は2018年に160周年を迎えますが、来春、オランジュリー美術館において、東京ブリヂストン美術館所蔵の石橋財団コレクションの名品を迎え、特別展を開催することを大変光栄に存じます。オランジュリー美術館の建物は第2帝政期の建築ですが、まさにこの時期に、2カ国間に新たな外交関係が築かれ、非常に豊かな文化交流が生まれました。

ブリヂストン美術館のコレクションは、この2カ国の文化をつなぐ何本もの架け橋を象徴しています。この中には、西洋世界がジャポニスムと呼ぶものが、大きな位置を占めています。しかし、日本とフランスがお互いの文化に魅力を感じる様は、同様に、日本の近代の芸術家の作品にも見て取れます。これは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、日本と西洋美術とが直接触れ合う機会があったことの証左であります。特に、思い浮かぶのは、19世紀末にすでにパリに暮らす日本人芸術家がいたことです。そのうちの何人かの作品は、オランジュリー美術館で開催される今回の特別展で展示されます。

さらに、印象派の素晴らしい作品を中心とするブリヂストン美術館のコレクションは、美術収集家が、西洋美術とフランス美術に深い造詣を持っていたことを表しています。この観点から見ると、一実業家が持っていた芸術への情熱から生まれた同コレクションの名作は、画商であり美術収集家であったポール・ギヨームの夢に、見事に呼応しています。ポール・ギヨームは、非常に早い段階で、自身が収集した作品を美術館で一般公開することを望みました。今日、オランジュリー美術館は、ふたつの大きなコレクションを所蔵しています。一つは、ヴァルテール=ギヨームコレクション、もう一つは、クロード・モネの《睡蓮》です。これは、複数の睡蓮の絵が連作として一つの作品を成し、壁面を飾っています。オランジュリー美術館を訪れる日本の皆様から大変愛されているこの連作は、第一次大戦の終戦の折に、平和の象徴として、モネからフランス共和国へと寄贈されたものです。この世界的にも類のないモネの連作は、それだけですでに、ジャポニスムの到達形態を具現しているといえるでしょう。この睡蓮の連作で絵画の究極の規範となったのは、モネがノルマンディー地方ジヴェルニーの自邸に作った水辺のある日本庭園でした。この度の特別展を開催することにより、オランジュリー美術館が称えようとするのは、かくも実り多く、かくも刺激的な日仏両国間の交流なのです。
ローランス・デ・カール
文化財統括学芸員
オランジュリー美術館館長
青木 繁《海の幸》1904 年 油彩・カンヴァス

青木 繁 《海の幸》 1904年 油彩・カンヴァス

ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》1876年 油彩・カンヴァス

ピエール=オーギュスト・ルノワール
《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》
1876年 油彩・カンヴァス

ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904 - 06 年頃 油彩・カンヴァス

ポール・セザンヌ
《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》
1904 - 06年頃 油彩・カンヴァス

オランジュリー美術館について


国立美術館であるオランジュリー美術館は2010年より、フランス国立公益法人オルセー美術館と同じ組織になりました。オランジュリー美術館は、クロード・モネの《睡蓮》、並びに、ヴァルテール=ギヨームコレクションを所蔵し、オルセー美術館のコレクションを補完する役割を果たすと共に、20世紀美術もその対象としています。

チュイルリーにあるオランジュリー美術館の建物は、第2帝政期に、チュイルリー宮の公園でオレンジを育てる温室として設計されました。建物には、隣接するコンコルド広場と調和するように古典様式の装飾が施されています。この建物が美術館として使われるようになるのは、後の1920年代に、モネの《睡蓮》を描いた大連作壁画を収蔵する場所として選ばれてからのことです。モネの構想と指揮に沿って、建築家カミーユ・ルフェーブルは、楕円形の展示室2室を設計し、建物の残りの部分には、企画展の展示室を作りました。今日、このふたつの楕円形展示室では、モネの名作を存分に鑑賞することができます。

オランジュリー美術館で行われた各種展覧会が成功を博したこと、また、ヴァルテールとギヨームのコレクションを収蔵するにあたり、建物が大規模に改修されました。当時のオランジュリー美術館は、ちょうど現在の、パリにあるグラン・パレ国立美術館の原型のようなもので、パリ市内で大規模な企画美術展を開催する際に利用され、大勢の鑑賞者の訪れる場所であったことにも触れておくべきでしょう。1970年にヴァルテール=ギヨームコレクションを受け入れ、オランジュリー美術館の収蔵品の最終形態が出来上がりました。ただし、建物が現在の姿になったのは、2000年代に入ってからのことです。2006年に、館内の全面的な見直しが行われ、最新の機材と新たな地下空間を備えた美術館として、再オープンしました。この改築により、500平方メートルの広さを持つ、企画展専用の展示室が新設されたことも特筆すべき点です。

再オープン後は、年に2回の特別展を企画しています。特に人気を集めた特別展を挙げるならば、2013年の「フリーダ・カーロ」展、「アポリネール、詩人のまなざし」展、さらには、「1930年代のアメリカ絵画」展があります。
オランジュリー美術館
オランジュリー美術館
《睡蓮》
《睡蓮》
1918年の第一次大戦終戦直後に、平和の象徴として、クロード・モネから国家に寄贈された《睡蓮》は、モネの構想に従って、彼が没する数カ月後の1927年に、オランジュリー美術館に展示されました。この他に類を見ない《睡蓮》は、1952年にアンドレ・マッソンが形容したとおり、まさに「印象派の礼拝堂」であり、この中には、クロード・モネの芸術の真髄が表現されています。これらの作品は、モネのジヴェルニーの日本庭園を手本にし、着想の源にしています。
ヴァルテール=ギヨームコレクション

musée de l’orangerie / Sophie Boegly
Une petite coquille dans le nom d’André Derain

ヴァルテール=ギヨームコレクション
美術品収集家であり画商であったポール・ギヨームのコレクションは、ヨーロッパ最高の絵画コレクションのひとつです。これは146点の作品から成っています。ギヨームは、1914年から没する1934年までに、印象派から同時代の美術に至る数百点の絵画、さらにアフリカの芸術品までに及ぶ敬嘆すべきコレクションを築きました。現在、このコレクションの印象派の作品については、ルノワール20点以上、セザンヌ15点、ゴーガン、モネそしてシスレー各1点から構成されています。また、20世紀については、オランジュリー美術館は、ピカソ12点、マティス10点、モジリアーニ5点、マリー・ローランサン5点、アンリ・ルソー9点、ドラン29点、ユトリロ10作品、スーティン22点およびヴァン・ドンゲン1点の展示を行っています。
■ お問い合わせ
ブリヂストン美術館  広報グループ: 久野・秋本
〒104-0061 東京都中央区銀座1-19-7
銀座一丁目イーストビル 7階
Tel. 03-3563-0241 Fax 03-3561-2130
E-mail publicity@bridgestone-museum.gr.jp